【「日本語教師の働き方を考えるセミナー Vol.1 ~ 日本語教育機関で働く場合に知っておかなければならないこと ~」開催のご報告】
春の足音が迫る2月23日(土)、「日本語教師の働き方を考えるセミナー」Vol.1 ~ 日本語教育機関で働く場合に知っておかなければならないこと ~ が行われました。
労働問題に詳しく、かつ日本語教育の世界のことも知っている専門家をお招きして、法律の観点から日本語教師の仕事について学びました。
まずは4月からの大きな労働環境の改正点(①と②)を説明していただきました。
①時間外労働(いわゆる残業等)の上限の規制が大企業では今年4月、中小企業では来年4月から適用されること
②常勤職員と長期働いている非常勤職員に対しては、今年4月から、有給休暇を大企業・中小企業問わず年5日与える必要があること
そして、「日本語教師の仕事と労働法規」について、専門的な観点から説明をしていただきました。おおむね、a~cの内容が主でした。
a.自宅での準備や、日本語学校に着いてからのコピーなどの授業前の時間は、労働時間に当たるのかどうか
b.採点・日報記入などの残業時間は、労働時間に当たるのかどうか
c.コマ給に対する行政指導
これらのほかに興味深かったのは、「〇〇手当」についての見解でした。
例えば、非常勤講師における「講師会議手当」「学内研修手当」等は、「1回3,000円」という形ではなく、かかった時間に対して支払われるのが望ましいのだそうです。というのも、仮に講師会議が4時間もかかってしまった場合、「1回3,000円」では1時間当たり750円となり、最低賃金を下回ってしまうからだそうです。これは「〇〇手当」がつくものも、労働時間と解釈されることが念頭にあります。
また、細かいことでは、養成講座でJLPTやEJUについて試験内容、教え方について学んだわけでもないのに、日本語学校に就職してJLPTやEJUの対策授業を行うように言われた場合、日本語学校側がJLPTやEJUについて、それがどんなものであるか説明する必要がある、とのことでした。
こういったことなど、様々なことについて専門的な観点からお答えいただきました。今回のお話を聞いている限りでは、日本語教師の待遇は今後は改善されるところが多いんじゃないかと思いました。そのためにも、専門家の話を聞き、私たち自身が労働法規の知識を多少なりとも身につけておく必要があるな、と思いました。